【感想】Don't Knock Twice(ドント・ノック・トワイス)
Don't Knock Twice 感想
結論:母娘の再起物語。
探索で見えてくるダークなヒューマンドラマだった。
※あくまでも、個人的感想によるレビューです。
項目 | ストーリー | アクション・ システム |
やりこみ | ホラー度 | 個人的好み |
---|---|---|---|---|---|
評点/S~D | B+ | B | B | B+ | B+ |
【クリアまでのプレイ時間】 ~3時間ほど
【お気に入り度の目安(~100%)】
◆80~99%:とてもオススメで大好きな作品 ◆60~79%:高い満足度が得られる作品
◆50~59%:普通に楽しめて面白い作品 ◆20~49%:少し残念な点が多々ある作品
◆1~19%:イマイチで私には合わなかった作品
【評点の目安】
S:秀、A:優、B:良、C:可、D:残念
+:多少の加点
<↓詳しい感想は下記で↓>
ストーリー
同名の映画「ドント・ノック・トワイス」をベースに作られた一人称ホラー探索ゲームです。悪霊に囚われた娘クロエを助けるために屋敷を捜索することになります。
主人公ジェシカは母親で、賞をとるほどの芸術家。
唯一、主人公の姿を見れる写真。美しい女性ですね。この笑顔の裏に抱えた苦しみと罪悪感は、物語に深く関係しています。
一切の状況説明がないまま、はじまるゲームですが落ちているメモや日記などから、母娘の関係性や過去、現在の彼女らの状況に至るまでがわかるようになっています。
なぜ、娘クロエが怒っているのか?
なぜクロエが怯えているのか?
一見、不親切なゲームのように思えるかもしれませんが、主人公と同じように探索することで、娘に何が起きたのかを知る体験をしているとも言えます。
この「なぜ?」を解読していくのが、このゲームの楽しさだと思います。
これといった会話イベントもないので、メモなど文章を読んで、ストーリーを整理して考えていく必要があります。考察が好きな人は楽しめるのではないかな。
オープニングはなく、突然屋敷の一部屋からはじまります。
現在に至るまでの過去は語られません。日記などから把握していきます。
とある民話の魔女と“母娘”をテーマにしたホラーになっています。
娘に起きる不可解な出来事。
私は原作の映画も見ていないし、前情報もないまま遊びましたが楽しめました。
世界観の雰囲気にも入りこむこともできました。一切の説明がないので、逆に何が起きているんだろう?という興味が湧き、屋敷探索が楽しかったです。しかし、楽しみは人それぞれ。これといったアクションもないので、つまらないと感じる方も多いかと思います。
物語を理解するのは日記やメモだけなので、探索と考察が好きな人向けのゲームかもしれません。
アクション・システム
まず初めに、日本語も対応しています。PSストアの作品説明には、日本語対応の表記はないですが、ちゃんと日本語対応です。翻訳もしっかりとしたものなので、安心して遊べます。
ちなみにオプションでの言語変更(表示文字)は16カ国語ありました。
このゲームは、セリフ音声はありません。
PSVRとPSMove(モーションコントローラー)にも対応。VRで遊ぶことで、より没入して屋敷を探索ができるかもしれません。
屋敷の中は停電になり、真っ暗になっています。最初の明るさ調整にもよりますが、ほぼ先が見えない暗さです。
燭台の灯りを頼りに進むことになります。
壁には蝋燭が設置され、燭台を近付けることで灯せます。
灯りがどれだけ安心感をもたらすのかが、よく感じ取れる演出が素敵でした。
また、ゲーム中はBGMはほぼなく屋敷にある物音だけなので、その場所の空気感を感じました。ふと“コン、コン”というノックが聞こえた時のドキドキは、かなり不安にさせられますね。
ゲームといえば操作ですが、残念ですがあまり良くないです。
「R2ボタン」が手の動作になっていて、拾ったり、ドアのノブを掴んだりします。
ドアの開閉が面倒で、R2でノブを掴んだまま、右スティックの上下で押し開けるか、引いて開けるのですが、右スティック操作の開閉が毎回面倒。大手ゲームのワンボタンでバンバン入れるゲームを遊んでいると、特にそう感じましたね。恐る恐るそろーりと、ドアを開ける醍醐味というのもあるとは思いますが、気分的にはパッと開けたかったかも。
他にも、しゃがむ動作が「◯ボタンを押している間だけ」で、このボタン押したままというのが意外と面倒です。しゃがむ機会は少ないので問題はないですが、しゃがみながらのオブジェクトへの接触がやりにくかった。
画面中央の小さな丸いポインターがオブジェクトに干渉できる範囲で、小さい小物を調べたい時など、なかなか掴めないこともあったりと、操作面で遊びやすさはなかったですね。
謎解きというほどのものはなく、アイテムを見つけていくというのが近いです。
娘を助け出すために必要な、隠された思い出のアイテムを探します。
もう1つ残念だったのは、メモや日記を手にしますが、メニューにアーカイブされるといったこともなく、その時だけの読み捨てです。できれば、手にしたアイテムを見れるような画面が欲しかったかな。
やりこみ
3時間ほどでクリアしました。
ボリュームはないですがインディーで価格も安価なので、こんなものだと思います。
これといった不満はありません。価格に見合うボリュームだと思います。
やり込み要素はないですが一応、収集物があります。
マトリョーシカ人形を破壊するというもの。物語には関係なくトロフィー項目です。
トロフィーは隅々まで探索したり、前もってトロフィー情報を確認していれば、1周でほぼ獲得可能です。注意したいのは、クリア後はコンティニューデータは消え、最初からのNEW GAMEになっています。トロフィーを狙ってる人は、クリア前に済ませるのがおすすめです。
マルチEDになっているのでトロコンは2周が必須。
ホラー度
雰囲気は、とても良かったと思います。
暗闇の中を燭台の灯りだけで進むドキドキ感と、聞こえてくる物音たち。
敵との戦闘などはありませんが、最初は屋敷を歩くのもドキドキしました。慣れてくると怖さも半減しますが、物に秘められた思いなどを考察していく方に集中できました。
広くもない屋敷なので、簡単な内容になっていますが、ちょっとしたホラーを味えると思います。ちなみに、私はこの画像のシーンが一番ビックリしました。久しぶりにドキッとしてしまった(笑)
総合
屋敷にある肖像画が怖ろしい顔になっていたり、ドアの開閉の仕方など「レイヤーズ・オブ・フィアー」を思い出しました。似たような屋敷探索ゲームなので「レイヤーズ~」を気に入ったなら楽しめるかなといった感じ。「レイヤーズ~」と違って、このゲームは気分悪くなる系ではないので、ご安心を。
ドキドキ&ビックリ系の屋敷探索ゲームで、物語は切ないかな。
操作面で荒削りな部分もありますが、雰囲気もよかったし、もう少し親切設計にして、イベントを入れたりなどしたら、化けそうな感じがします。これはこれでインディーならではの良さがあったと思います。
「暗闇、魔術(魔女)、探索、ホラー」このワードに惹かれる方は、少しは楽しめるんじゃないかなと思います。私は考察好きというのもあり、結構楽しめました。
しかも、1400円(税込)と良心的な価格で、存分に雰囲気を味わえて、素晴らしかったです。
体験するのでなく、エンターテインメントとして物語が気になる方は、映画で補完してみるものいいかもしれません。これをキッカケに今度は映画を観てみようと思いました。映画とゲームを比較して鑑賞してみたいです。
以上、ドント・ノック・トワイスの感想でした。
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