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【サイコブレイク】PSYCHOBREAK★ネタバレ★キャラ考察③ルベン・ヴィクトリアーノ、ルヴィクになるまで

サイコブレイク キャラ考察③ルヴィク

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ルヴィクを考察・まとめ。
キャラを掘り下げて考察しています。けっこう長文です。

完全ネタバレ。
エンディング情報もあり、ご注意ください。クリア済み前提の記事になってます。 
あくまでも私の解釈&考察です。
間違いもあるかもしれません。未確定情報を含みますので、ご了承ください。

ルベンという人物

ヴィクトリアーノ家の長男。

資産家の裕福な家庭環境で育つ。
ピアノを弾くなど、教養もしっかりとしていたようだ。

STEMに残る記憶によると、姉と遊ぶのが好きで、かなりのシスターコンプレックスを持ていたように思える。

また、研究が好きな男の子であり、非常に知的才能に溢れていた
マルセロが、ルベンをレオナルド・ダ・ヴィンチと比較していることからも、優れた天才であることがわかる。

性格は、活発ではなく内向的であり、精神的に不安定な子供であることも分かった。
火災事故により、精神状態は更に悪化している。

子供時代

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name:Ruben Victoriano
Age:10歳
Height:158cm
Weight:49kg

フォーマルな服を着た、お坊ちゃんスタイル。眉も薄く、明るいプラチナ金髪だ。
額が広いところなど、父エルネスト似の顔立ちでもある。

青年時代

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name:Ruben Victoriano
Age:18歳
Height:182cm
Weight:69kg

大人っぽいフォーマルな装い。
手から頭の周りまで、ひどい火傷のために包帯を巻いている。
服装で隠されているが、全身包帯で処置がされていると思われる。髪、眉さえも失うほどの、ひどい火傷を負ったことがうかがえる。

白く、裂傷は黒く変色しており、神経組織が壊れている状態だろう、4度の皮膚全層裂傷だと思われる。彼には植皮が必要と思われるが…火傷による体の痛みと戦いながら、研究に没頭していたようだ。

マルセロと共に働き、互いにそれぞれの立場を利用しあっていたようだ。

ルヴィクという人物

f:id:bio-re-love:20170716135413j:plainname:Ruvik(Ruben Victoriano)
Age:37歳
Height:178cm
Weight:71kg

過去の火傷は胴と顔を覆い、深刻な傷跡を残した。
ひどい火傷を負った身体を晒し、未燃の肌のは蒼白く、歩く死体のような姿だ。

また、頭蓋の右上半分が取り外され、人工頭蓋骨に置き換えられ脳を露出している。様々な穴が人工頭蓋骨の証拠であり、自己実験の潜在的可能性の表れか?

ここまでの熱傷で、体の温度調節もできず、絶え間ない頭痛や肉体的・精神的発作に襲われ、彼は身体的に限界が近いことを悟っていた。

外の世界から離れ、目的達成のために研究だけを黙々と続けていた。

STEM界に存在するルベンの意識も、この姿で現れる。
ルベンのゴーストこと、コードネームの「Ruvik(ルヴィク)」で呼ばれた。

過去

マルセロとの出会い

ヴィクトリアーノ家はビーコン精神病院へ、頻繁に多額の寄付をしていた。
そのため、マルセロ・ヒメネス医師とは家族ぐるみの付き合いだったようだ。

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ルベンの隠し研究施設「聖域」を見つけたマルセロは、彼の才能に気づいたのか、今後自分の助手として、いい逸材だと目をつけた。

マルセロが、聖域である研究部屋に入ることを、ルベンは嫌がっていたようだが、助手という交換条件と研究の理解者という点で、しぶしぶだが彼を受け入れたようだ。

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ルベンの実験は、誰にも認められず気味悪がられており、ルベンは周囲の反応を非常に気にする繊細な少年だった。

しかし、マルセロは科学の定義を語り「大切なのは頭脳だ」と理解を示したのだ。
ここから二人の科学者として、同志としての付き合いが始まったのだろう。

悲惨な火災

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大量の土地を購入し、管理していたヴィクトリアーノ家。
その一つであろうひまわり畑のなかに佇む納屋。そこで遊ぶ、ルベンとラウラ。

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微笑ましい遊びだ。このシーンは、ルベンの姉への思いも見て取れる印象的な場面となっている。

しかし、土地を奪われた村人たちの怒りは収まらず…

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ルベンの両親に報復するために、村人たちは火をつけた。

火をつける前に、納屋の中に子供がいることに気づいても、知らないフリをするという非道な行為だ。リーダーだっただろう、この男。

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クリストファー・テイラーというようだ。
のちに行方不明になっている事から、ルベンにより復讐された可能性が高い。

彼のせいで、ルベンの生涯は台無しにされたわけだ、過去の罪深い行為は、死よりも残虐な罰へと変わり、報いを受けたのだろう。

事故後の幽閉生活

姉ラウラを失くし、心も身体も傷ついたルベン。火傷の痛みや外見に悩まされ、肉体的・精神的にも病んでいった。奇跡的に助かったルベンだが、父親は地下に幽閉したのだ。

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地下に閉じ込められたルベンは、持て余す時間を使って、地下で様々な研究をして過ごしている。そして、この場所から出るチャンスも見計らっていたようだ。

家族関係

姉:ラウラ

ルベンの姉であり、ルベンを唯一理解した人だった。ふたりは非常に密接な関係を持ち、お互いを気遣っていた。

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火災時も自分よりも弟を心配したラウラは、納屋の小さな窓に弟を押し上げ、外へと逃がし命を救っている。

焼き尽くされた納屋と、焼かれたラウラ。彼女の死後、ルベンはひどく落ち込み、ついには壊れてしまう。そして、彼女の幻さえも見るようになったのだ。
幻を見たことで新しい世界を夢みるようになったルベンは、言いようのない衝動に駆られ、研究に没頭した。

ついには両親を殺害にまで至り、姉の死を含む起こったことすべてを責めていた。
(火事は、市民による父への復讐の結果だからだ)

母:ベアトリス

ルベンと母親との関係は、あまり描かれていないが、母が息子を愛していたのは、過去からも読み取ることができる。

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「二人とも火事で死んだ」と、夫に嘘をつかれたベアトリスだが、息子がまだ生きていると感じると、地下から声が聞こえると主張した。

地下に幽閉されていることを知らないが、どこかで息子の気配を感じ取っていたようだ。母の愛強しである。息子までも失ったと嘆き悲しみ、摂食障害まで起こしている。深い悲しみに暮れていることからも、息子を大事に思っていたことがわかる。

しかし、そんな深い愛もルベンには伝わっていなかったようだ。

父:エルネスト

エルネストは深い信仰心を持ち、メディアが騒ごうが教会への多額の寄付を続けていたようだ。あのマークのカルトなシダーヒル教会である。

ルベンと父親との関係にはどこか距離があり、敬意はあるものの、非常に緊張状態にあったようだ。それは、姉弟過剰な親密さが原因だと思われる。信仰心の強い父には行き過ぎた姉弟愛は容認できなかったようだ。

ルベンも敬意は払っているものの、地下室に幽閉されたことで、二人の関係は完全に壊れてしまった。

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父を誇らしいと思う想いと愛情が、幻滅したことで深い憎みへと変わっていく。
最終的には両親を殺害するまでに至った。

両親の死は、新聞によると交通事故死であるが、ルベンがナイフを持っていることと、大量の血だまりを考えると、殺害が先だと推測できる。

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殺害が先だと推測するのも、マルセロが両親の死を知らず、病院への寄付が滞っていると催促しにきたからだ。この時、すでに彼らは死んでいたからこそ、寄付がストップしていたのだ。

不在を怪しむマルセロの発言などからも、両親の交通事故は死の隠蔽だというのがわかる。のちに一家の遺産はルベンが相続している。

ルベンの研究

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マルセロの脅迫めいた要求ではあったが、ルベンは実験のために、ビーコン精神病院に引き続き寄付して、マルセロに協力している。

マルセロがルベンの研究盗作をし、意見が衝突するまで、人間の精神と心についての実験を続けている。

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提供された素体を使って、生きたままの人間解剖や実験をしていたルベン。

  • 希望を与えることで支配力が高まること。
  • 感情と記憶を司る扁桃体にある「恐怖」を感じる領域を刺激することで感覚が共有できるが、心理的負荷に耐えられない。耐えるためには心理的にシンクロしないといけないこと。
  • 大脳新皮質の「承諾」の領域を刺激することで、人格を残したままにできること。

など、誰かの身体を器に、自分の人格を投影できるか否かを研究していた。

希望という目的

すべてを取り戻すこと。
それが、ルベンの唯一の望みだったに違いない。

火傷を負った身体と顔、激しい痛みに襲われる日々。そして、自分の唯一の理解者である、姉ラウラを蘇らせるという希望を胸に、彼は研究を続けた。
人格を別の身体に移すための研究と、無線STEMの研究を秘密裏に進めていたのだ。

マルセロから提供された患者で、依り代を探すなかで適合するレスリーを発見。
STEMを介して、ルベンの意識を移しても拒否反応が起きない(シンクロできる)精神を持つレスリー

適合者を見つけたルベンは、あとは無線の完成品STEMを造るだけだった。

STEM界=ルヴィクの世界

STEM界は入り込んだ人それぞれで、物事の捉え方や見え方は違うようだ。
世界は先験者である患者たちの記憶も混じり合って形成されている。

しかし、基本的にはルヴィクの精神世界であり、多くの場所は憎しみと狂気によって構成されている。すべては、ホストであるルヴィクの思いのままに変化(転送)できると思われる。

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STEM界の目は、ルヴィクが監視しているという表れだ。

すべての敵の弱点は「火」であり、ルヴィク自身の火災による外傷経験や、トラウマからくると思われる。敵をマッチで焼くのはそういう事だろう。

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もちろんだが、ルヴィク自身も炎に弱いことがわかる。
炎に対する彼の怒りは凄まじい。

人間関係

セバスチャン

セバスチャンとルヴィクは、最初のうちは敵対しているようしておらず、ルヴィクがセバスチャンを脅威として認識してから、敵対心が強くなっている。

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「巻き込まれて気の毒だが~」の対話シーン。英語では、” Too bad they been dragged you into this "と言っている。

Too badは、悪い事が相手に起こった事になぐさめる感じであるし、彼らが引き込んだことに同情心がみられることから、セバスチャンが「ここ(彼の復讐と怒りに満ちた世界)にいるべきでない」という解釈ができる。

しかし、引き込んでしまった今。レスリーの意識と融合するために、思い通り動いてもらうと宣言している。この会話を見る限り、ルヴィクにとってセブは全くの無関係だったとわかる。

興味深いことに、二人には共通点があり、最愛の人を火災により亡くしている。

ルヴィクが「セブ」という名を知ったのも、一度接触をしているからだろう。
意識を乗っ取ろうとした時に、セバスチャンの過去~全てを読み取ったと思われる。

共通点を見つけたことで、ルヴィクは自分の過去をセバスチャンに体験させたのだろう。そのことをセバスチャンも感じたのか「同情して欲しいのか?」と何度もルヴィクに問いかけている。

しかし、セバスチャンが思いどおりに動かないことを知ると、完全なる敵とみなし、過酷な状況へと追い込んでいった。

ジョセフ

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ジョセフについて語るルヴィク。英語ではこうだ。
Will you be able to live with yourself knowing what I'm going to make you do?
Poor little Joseph couldn't...

「私が何をさせるつもりか知っているか?それでも、お前は生き残ることができるか?
かわいそうに、ジョセフはできなかった…」

このダメだったは生死の話ではなく、「意識の乗っ取り」を指していると思う。
生き残る=自我の維持であり、ジョセフは抗えなかった。実際、ジョセフはルヴィクに何度も操られています。

ジョセフとルヴィクは対話していませんが、ルヴィクは自分の計画の駒として使っています。ジョセフは敏感にルヴィクの影響をうけ、セバスチャンとジュリへの対処にう悪利用されている。

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ジョセフが、オスカーのように完全な影響を受けてはいないのは、ジョセフ自身がホーンテッド化しないよう衝動に抗い、戦っているからだ。

ジョセフは、ルヴィクにとって駒以外の使い道はない人材で、すでに用済みになったということだろう。

キッドマン

2つのDLCで、キッドマンとの関係が明らかになりました。

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まずキッドマンとは、「メビウスのために働く」という共通点がある。
ルヴィクは、他にも共通点がないか、キッドの意識に入ろうと試みているのだが、キッドマンはルヴィクによる「頭痛(乗っ取り&接触)」を経験していない。
この理由は、投与した薬によるものと考えられる。

この事は、ルヴィクも把握したようで、乗っ取りができない代わりに別の対処法を試した。ジョセフやアドミニストレーターレスリーにセバスチャン。他の人物を使って、彼女を悩ませ、不安と恐怖で押しつぶそうとしている。その代償として彼女の手に「刻印」を残してもいる。

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メビウスは人を消耗品のように扱い、逆らう者は排除すると、キッドマンに忠告。
この忠告により、彼女の心を変えてメビウスを疑うように仕向けたことで、真実を知ったキッドマンは、メビウスへの忠誠心が消えることになる。

マルセロ

マルセロは、長年にわたった科学の同志で、互いに利用しあっていた。

出会いは少年の時で、ルベンの研究を共有することを望んだマルセロに、少年は承諾した。火災後も研究は続け、施設や研究機器、被験者を提供。ルベンはSTEMを造りはじめたのだ。

マルセロは、ビーコンのトップとして地位を維持するため、新しい研究を続けなければならなかった。そのためにルベンの研究をメビウスに提供してしまう。そのことで、二人の間には大きな亀裂が入る。

マルセロは、メビウスがルベンを拷問して殺したことに嫌悪を感じ、ひどく怒っていたが、探究心に負けたマルセロは、メビウスの下で研究を続けたのだ。

レスリー

ルベンによって、何度か被験者として実験されていたようだ。

そのなかでレスリーの脳波が、自分とシンクロできる適合者と判った時、ルヴィクはレスリーを実験に使わないよう”STEMに適さない者だ”と隠している。
レスリーを奪われル、もしくは研究により死なせてしまうといけないからだろう。

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レスリーは、STEM界でルヴィクを恐れていたが、最後は何かを悟ったのか?
彼を見つけると、ルヴィクの元へ自ら走り出した。何度も接触や操られるなかで、自らルヴィクに屈したようにも見えた。

彼に意識を融合されることを承諾したのだ。

アドミニストレーター

ルベンとは生前、黒服の男として何度か面会もしており、面識もあった。
また、STEM界にも「一度、力を求め入り込んだことがある」と、手紙に書いて会ったことから、ゴーストが出るSTEMに薬を使って潜入したことがあるようである。

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薬のおかげで、取りこまれることはなかったようだが、ルヴィクによって印がつけられた。その時につけたのが刻印だろう。

アドミニストレーターの本名は不明だが、名の通り彼は単なる一部の管理者であって、完全な黒幕ではなさそうでもある。今回のマルセロと研究絡みでは首謀者とも言えるだろうが...。メビウスのトップであるかは不明である。

ドビュッシー「月の光」

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ルベンの奏でるピアノ。
月光を浴びたラウラの幻を見たルベン。

ルベンにとって、とても思い入れのある曲なのだろう。
プレイヤーにとっても、セーブ場所への道として、癒しとなる曲でもある。

重要な役割を果たしている「月の光」

「ルヴィクの世界観」と面白いほどに共通点が見られ、素晴らしい選曲となっている。

曲の解釈

私は音楽は、かじった程度なので間違ってる点があると思うが、この曲にはいろんな解釈があって、まず初めに愛する人に捧げられたこと。

もう1つは「あいまいな世界観」を表現しており、ただの月の光の情景ではないということで、相反するものが混然一体となって、すべてが溶け合って区別がないということを表現していると聞いたことがある。

ルヴィクの言う、“わたしと混じり合う”STEM界は、まさしくそれのことだ。

また、ドビュッシーは音楽の規則を無視して、自分が美しいと思う音で作曲したとも言われている。音楽界の“新世界への扉”を開いたとも言えるのだ。

他にも、詩人ポール・ヴェルレーヌの詩の世界を描こうとしたという話もある。
ヴェルレーヌの詩には「過ぎ去ったもの、悦楽の後の虚しさ」が歌われていて、楽しくも、悲しくもある、曖昧な切ない気持ちを「月の光」は見事に音楽にしている。

静かな月の光は、悲しくも美しく
樹々のなかの小鳥たちを夢にいざない
噴水は恍惚のあまり咽び泣く

       ヴェルレーヌ/Fetes Gallantes(艶なる宴)の一節より引用

私は、ここの一節が好きだ。
たしか、歌詞として使われた話も聞いたことがある。

夢のような世界。

まさしくサイコブレイクに“使われるべきして使った!”としか、言いようがない選曲で
素晴らしいなぁ~と思った次第だ。深読みしすぎたかな。考察は楽しい。

以上、ルヴィク考察でした。

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